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Quotes

「でも死ぬときはだれだってひとりだろ。おやじを捨てたおふくろも、アル中みたいに酒ばっかり飲んでるおやじも、それから俺も相内さんも田村さんも、死ぬときはみんなひとりだろ。やりたいことやって、ひとりで死んでくんだ。捨てられた子どもがかわいそうだとか、んなこと言われても、関係ねえよ。全然関係ねえよ。やりたいこと、やりゃいいんだ。そんだけのことじゃねえか」

正太はそう言うと、彼らの脇をすりぬけ、全速力で廊下を走った。

– 「夜の果てまで」 盛田隆二

あの事件より少し前、死のことばかりを考えている時期があった。中学に進学したすぐの頃のことである。死そのものについて、深くつきつめて考えた。死ぬとはどういうことなのだろうか、どんな感じなんだろう、その先はどうなってしまうのだろうか。

自分という存在が絶対勝つ不滅なものではなく、いつかは消え去ってしまうものであることを意識し始めたのである。中学一年になりたての少年にとって、それを考え続けることには相当な危険が伴っていた。

僕は常に漠然とした死の恐怖を抱きながら毎日を過ごすようになっていった。ベッドに横たわっていると、暗闇が胸にのしかかってくるような苦しさを覚えた。自分はいつか必ず、逃れられない宿命として、死ぬ。今、こうして怯えたり苦しんだり考えたりしている主体そのものが消えてしまう。

それはいったいどういうことなのだろう。そう考えると、胸の動悸が高まっていった。

– 「アジアンタムブルー」 大崎善生

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